はじめに

なぜ読もうと思ったか

最近、情報管理の方法について見直しを迫られていました。特に以下の2つの問題意識から、Obsidianというツールに注目するようになりました。

プレーンテキストの価値が向上

AIの基盤モデルが強くなってきたことで、プレーンテキストの価値が大きく向上しています。コンテキストに適切な情報を詰めることが、人間の重要なスキルになってきました。

これまでNotionを使って情報管理をしていましたが、可搬性に課題を感じていました。ローカルで管理でき、プレーンテキストベースのObsidianに注目するようになりました。

価値ある知識の保有方法の変化

AIの進歩により、適切なコンテキストの中ではハルシネーションを心配する段階は超えたと感じています。問いに対して回答を得ることが簡単になった今、重要なのは「問いが正しいか」ということです。

問いの正しさを確認する意味で、AIの回答を多角的に見つめる発想力が重要になってきました。また、知識は深く知ることよりも、関連をもって広く知ることが重要になったと感じています。この関連を表現するのに適したツールとして、Obsidianに注目しました。

読んだ本

書籍情報内容
書籍名Obsidianで"⁠育てる⁠"最強ノート術—⁠—あらゆる情報をつなげて整理しよう
著者名増井敏克 著
出版年2023/10/18
ISBN978-4-297-13720-5
書籍ページObsidianで"育てる"最強ノート術 | 技術評論社

読んでみてどうだったか

Obsidianの使い方について詳しく学べることを期待していましたが、実際には情報の管理方法全般に触れた書籍でした。これは、Obsidianのような活発なアップデートが入っているツールについて書籍で扱うことの難しさでもあります。

デフォルトの状態が書籍と現在のバージョンで結構違うため、適宜読み替えが必要でした。細かい操作方法に注目するよりは、「こういうことができるんだ」という発想をもらって、現在の実現方法は別途調査するような読み方になりました。

印象に残った箇所

ノート管理でしっくりきていなかった部分が自分の中ではっきりした

従来の情報管理の問題点

これまでNotionを用いて、ページで階層構造を作成していました。それぞれの年のページの下に、読んだ本や知識のメモを書いていたのですが、再利用は稀でした。Notionの検索機能が期待していたほど機能しなかったため、過去の情報を活用できていませんでした。

学んだ方法

本書を読んで、階層構造はノートの整理方法として難しいことに気づかされました。情報を辿るのに時間がかかるし、「どこに入れるの?」という問題がしばしば出てくるという点にも納得しました。

また、重要なのは再利用であることを学びました。学びがあるたびに再度整理して知識を深めていくこと、そしてノート間のつながりを育てることが大切だと理解しました。

Obsidianによる具体的な方法

本書で紹介されていたObsidianを使った具体的な方法は以下の通りです:

  • デイリーノートを気軽に書く: 日々の気づきや学びを記録
  • トピックごとにノートを切り出す: 関連する情報をまとめて独立したノートに
  • 階層化タグで整理: 複数の分類軸で情報を整理
  • グラフビューで見る: ローカルグラフと深さを指定して、現在のノートからのつながりを辿る
  • ホームノートやMOCを適宜作成: 探しやすさもメンテナンス

やらないと決めたこと

複雑になりすぎないよう、以下のことは避けることにしました:

  • データベースとして使用すること
  • マップビューやCanvasなど凝った整理方法

細かい方法論よりも、シンプルに「書く、つなげる、定期的に見返す」という基本を続けていきたいと考えています。

おわりに

『Obsidianで"育てる"最強ノート術』を読んで、情報管理に対する考え方が大きく変わりました。階層構造にこだわるのではなく、情報間のつながりを重視する新しいアプローチに魅力を感じています。

技術の進歩により、情報の蓄積方法も変化していく必要があることを実感しました。AI時代に適した情報管理方法を身につけることで、より効果的な学習と知識の活用ができるようになることを期待しています。